それでは、これらの言語を記録する世界の文字の使用状況はどうでしょうか。世界には数千にも及ぶ多くの言語がありますが、これを記録する文字はたったの数十個にすぎません。通常、1つの文字を複数の言語表記に共通に使用するか、または文字がない言語も存在するからです。
世界中で最も広く使われている文字はローマ字です。ローマ字はラテン文字とも呼ばれており、現在ヨーロッパの多くの国とアメリカ大陸を中心に使われています。英語、フランス語、ドイツ語など、ヨーロッパの諸言語のアルファベットがこのローマ字を起源としています。そしてギリシャ文字から派生したロシアや旧ソ連地域で使われるキリル文字があります。ギリシャ文字は今でもギリシャで使われています。ローマ字と共に世界の文字の使用面において高い割合を占めている文字はアラビア文字です。アラビア文字は中東地域を中心に中央アジア、西南アジア、東南アジア、アフリカ地域の多くのイスラム文化圏の国で使われていますが、他の多くの文字が左から右へと読み書きするのに対し、右から左へ進行するという特徴を持っています。また、インドや東南アジアの多くの国で使われているインド文字があります。インド文字は使用地域によって、派生文字が多く存在します。最後に我々におなじみの漢字があります。漢字は古代に作られ、現在まで約4000年以上持続している文字で、中国、韓国、日本を中心に使われています。しかし、韓国では漢字の使用が段々減り、韓国の固有文字であるハングルが一般に使われています。ハングルは朝鮮王朝の第4代王である世宗大王が1443年に発明した文字で世界の多くの言語学者からその創造性と科学性が認められている文字です。
それでは、次にそろそろ上述した世界の様々な文字を直接みてみましょう。
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